TOEIC® Program開発の背景
1970年代、製造業を中心として日本企業の海外進出が急速に進んでいったのです。そこには、コストや効率という経営的側面に加えて、先進国との間に生じた貿易摩擦を緩和する目的もありました。つまり、人と人、国と国との理解を深めていかなければ、日本は将来立ち行かなくなるという危機意識です。そのためには、もっと多くの日本人が英語によるコミュニケーション能力を磨く必要がある。そのための実効性のあるプログラムを開発しよう。そのような発想を元に日本人の手によってTOEIC L&Rの開発プロジェクトが動き出したのです。実際のコミュニケーションに必要な能力を客観的に評価し、併せてその評価を目標設定にできる世界共通のモノサシをオリジナルで開発すること。それがTOEIC L&R開発の命題でした。
TOEIC® Programの誕生と現在に至るまで
ETSは米国ニュージャージー州プリンストンに本部があり、設立されたのは1947年。世界最大の非営利テスト開発機関として知られ、アメリカの大学への留学に課せられるTOEFLをはじめ、アメリカの公共機関や学校関係のテストの大半を開発・制作するという実績を持っていました。そのような理由からプロジェクトメンバーは、「テスト開発に豊富なノウハウを有し、開発を依頼するのに最も相応しい」と考えたのです。1977年9月から折衝を開始し、2年の研究開発を経てTOEIC L&Rが実現しました。現在、日本では個人による受験に加え、約2,900の企業・団体・学校が採用し、年間約192万人が受験しています(2023年度)。TOEIC Programの運営機関は、東南アジアやヨーロッパ、中南米を中心とした非英語圏にも設置され、TOEIC Programは、世界160カ国、約14,000団体で受験するほどの規模に広がりを見せています。日本で発案されたTOEIC Programが、まさにグローバル・スタンダードとなったのです。
TOEIC® Programの特長
◇合否ではなく、スコアで評価
テスト結果は合格・不合格ではなくスコアで表示されるので、「現在地の正確な把握」や「目標設定」が可能です。
◇グローバルスタンダードとして世界160カ国で実施
特定の文化を知らないと理解できない表現を排除しているので、誰もが公平に受けることができる「グローバルスタンダード」として活用されています。
◇実際のコミュニケーション能力を評価
知識・教養としての英語ではなく、オフィスや日常生活における英語によるコミュニケーション能力を幅広く測定します。
TOEIC® Testsは日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力を測定する、世界共通のテストであり、聞く・読む力を測る TOEIC® Listening & Reading Test と、話す・書く力を測る TOEIC® Speaking & Writing Tests により、4技能(聞く・読む・話す・書く)全ての英語コミュニケーション能力がわかります。
TOEIC® Tests
TOEIC® Testsの活用法
2022年各大学のTOEIC活用例
大学 | 学部 | 学科 | 出願資格 |
北海道大学 | 工学部 | 環境社会工学科 | L&R 550 |
北海道大学 | 理学部 | 地球惑星科学科 | L&R 600 |
東北大学 | 工学部 | 機械知能・航空工学科 | L&R 785 |
京都大学 | 農学部 | 資源生物科学科 | L&R 600 |
京都大学 | 農学部 | 食品生物科学科 | L&R 800 |
専修大学 | 経営学部 | 経営学科・ビジネスデザイン学科 | L&R 740 |
専修大学 | 経済学部 | 現代経済学科・国際経済学科 | L&R 740 |
拓殖大学 | 商学部 | 経営学科 | L&R 700 |
法政大学 | 経済学部 | 国際経済学科 | L&R+S&W 940 |
明治大学 | 経営学部 | 経営学科 | L&R 680 |
青山学院大学 | 総合文化政策学部 | 総合文化政策学科 | L&R+S&W 940 |
TOEIC® Tests年間スケージュールと申し込み
https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/guide01/schedule.html